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(11)パラメータの最適化

 実際の設計では,この後,CRハイパス・フィルタとバイアス抵抗値のパラメータの最適化を行います.雑音指数(NF:noise figure)などを改善するための工程です.製品版のSerenade 7 PCには,自動的にパラメータを最適化する機能があります.ただし,今回のデモ版ではこの作業も実行できません
(CD-ROMに収録してある「Bipolar増幅回路(BJTAMP)」のデモでは,パラメータ最適化の作業が体験できます.興味のある方は,こちらで試して下さい).

(12)雑音シミュレーション

 次は,トランジスタの雑音特性を考慮する雑音シミュレーションを行います.

(10)と同じように,メニュー・バーの「Analysis」→「Analysis」を選択して,Nonlinear Circuit Analysisウインドウを開きます(図15).AnalysisModeの中の「Small Signal Mixer」と「Noise」の項目をチェックして下さい

(図17).[Analyze]ボタンを押すと,雑音シミュレーションが実行されます.

 雑音シミュレーションが終わったら,メニュー・バーの「Report」→「ReportEditor」を選択し,以下のように設定すると入力電圧-雑音指数特性のグラフが表示されます(図18).このグラフから,最適な入力バイアス(雑音指数が変化しなくなる入力電圧) は0.75V付近であることがわかります.

Domain Sweep
Output Type Rectangular Plot
Function dB〔〕
Response NF32<-H1+H1,H0+H1>
それ以外 デフォルトのまま

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(13)変換利得のシミュレーション

 最後に,変換利得を確認します.Nonlinear Circuit Analysisウィンドウの「Regular」と「Show Bias Point」の項目をチェックし,[Analyze]ボタンを押して下さい.Bias Point Valueウィンドウ(図19(a))が開いたら,そのまま[OK]ボタンを押して下さい.これによってシミュレーションが始まります.

 しばらくするとシミュレーションが終わります.メニュー・バーの「Report」→「Report Editor」を選択し,以下のように設定するとミキサ回路の変換利得(TG32)が表示されます(図19(b)).

 このグラフから,入力バイアスが0.75V以上のとき,変換利得は25dB以上であ ることがわかります.

Domain    Sweep
Output Type Rectangular Plot
Function dB〔〕
Response TG32<H0+H1,H0+H1>
それ以外 デフォルトのまま